氷室冴子著作年表2

☆氷室冴子著作年表☆
1991〜2008年


1991年

「なんて素敵にジャパネスク7<逆襲編>」
集英社文庫コバルトシリーズ
1991年1月10日発行
定価320円
イラスト:峯村良子







★「ここはどこ。死んでたまるか」帥の宮らに殺されそうになって川に落ちた瑠璃は、偶然にも煌姫に助けられた。急を聞いて駆けつけた守弥の提案で、高彬の別荘・鳥羽の鴛鴦殿に落ちつくことになった。ところがこの別荘に、結婚を嫌がった由良姫が融に連れられてきていた。すわ駆け落ちかと騒いでいるところへ、殺人の片棒をかついだ春日大納言がやってきた。いよいよ、瑠璃の逆襲が・・・。急展開のシリーズ第7巻。
<目次>
第一章 瑠璃の生還
第二章 由良姫登場
第三章 由良姫の恋
第四章 対決!
あとがき


「なんて素敵にジャパネスク8<炎上編>」
集英社文庫コバルトシリーズ
1991年1月10日発行
定価330円
イラスト:峯村良子







★「もっと早く、あなたと出会うべきでした。そうすれば、わたしも違う方法があったかもしれない。」―謎めいたセリフを残して、自らの敗北を認めた帥の宮。またしても瑠璃の活躍で東宮位簒奪の陰謀は砕かれたのだ。でも、何かが違う、間違っている。陰された事実をあばくべく、再び奔走する瑠璃の前に明かされたのは、驚くべき衝撃の真相だった。息もつかせぬ展開の、帥シリーズ完結編。
<目次>
第一章 高彬の逆襲
第二章 ふたたび後宮へ
第三章 陰謀の真実
第四章 悲恋炎上!
第五章 うるわしの夜
あとがき

何も言うまい。でも、生きてたら、いいことだってあるかもって、瑠璃さんが何度も教えてくれた。

「北里マドンナ」
集英社コバルト文庫
1991年3月10日発行
定価490円
イラスト:江野和代








<目次>
第1章 槇修子
第2章 槇修子ふたたび
第3章 原田多恵子
第4章 麻生野枝
第5章 オールスター・キャスト
あとがき
文庫版のあとがき

「なぎさボーイ」「多恵子ガール」は雑誌掲載から、集英社コバルト文庫という通常の流れだったけど、この「北里マドンナ」は、まずこのCobalt Selectionで単行本化されてから、コバルト文庫になった。文庫化されるまで、間があいたので、少し手が入ってる。(章のタイトルなど)イラストも渡辺多恵子さんから、江野和代さんに変わった。

「いもうと物語」
新潮社
1991年8月25日発行
定価1250円
B6ハードカバー
装画:樋口千登世







★チヅルは小学4年生。これでもなかなかいそがしい。遊び場に突然やってきたヘンな転校生。おねえちゃんの長電話と初恋の予感。お母さんとオトーサンの秘密の取り決め。チヅルがみずみずしい眼で感じた家族や友だちのこと、かいまみた大人の世界―。夢みる少女の数々の体験を季節感豊かに描いた、甘ずっぱい連作短篇集。
<目次>石油ストーブのきた朝/角田牛乳/遊び場の転校生/友だち/金色のどじょう/おねえちゃんの電話/チチノタマゴ/いじわる/カルピスとゲソ揚げ/黒い川/赤いアノラックを着る日/猫をすてる/スケート場とおじさん
新潮社の総合カルチャー月刊雑誌「03 TOKYO CALLING」(通称ゼロサン。1989年創刊)に連載されたものを単行本化。そっかー、あの「03」に・・・。たった2年で廃刊になったけど渋い雑誌だったなあ。氷室さんが連載してたなんて気がつかなかった(汗) ご自分の少女時代を題材にした半自伝的小説。氷室さんは北海道岩見沢市出身。作中には幾春別川など実在の場所の名前が出てくる。

「プレイバックへようこそ」
角川文庫
1991年11月10日発行
定価390円
イラスト:峰岸達








★1989年9月角川書店刊の単行本「プレイバックへようこそ」の文庫化。加筆や訂正はなし。
解説:押切伸一

「ターン―三番目に好き」
集英社
1991年11月25日発行
定価1000円
B6ハードカバー
カバーイラスト:わたせせいぞう







★わたし、鞠子、24歳。ちょっと流されやすいタイプ・・・。
人生、最初の曲り角をきれいにまわりたいよォ!
容姿も才能もヤル気も、まあ十人並み。ごくフツーのOL鞠子は母の勧めで「お見合い」をしたばかり。相手は意外にイイ男で、申し分のないお話なのだけれど…。そんな時親友に奪われた、学生時代の恋人、幹彦が離婚したというウワサ。しかも友人の結婚式でその幹彦と再会してしまったのだ。これって、よくあるパターンとは思いつつも…。
待望の長篇OLロマンス小説。(帯より)
<目次>
第一章 流されたいの
第二章 伏兵がいっぱい
第三章 ふりだしに戻って
第四章 ふたりでビールを
第五章 再会はちょっとビター
第六章 ターン―三番目に好き

かの女性ファッション誌「non-no」に1988年6月〜1990年3月まで連載された小説で、大幅に加筆訂正して単行本化された。ここまで明確に「若い女性」(ノンノ読者)を意識して書かれた小説は氷室さんの作品では初めて?
でも、ターゲットがどうであれ、舞台がどこであれ、掲載誌がなんであれ、氷室さんは氷室さんで、テンポの良い会話と、女子の心情の表現の的確さ、明晰さは、やっぱり変わらないのだ。

「委員物語―プレイバックへようこそ2―」
角川文庫
1991年12月10日発行
定価350円
イラスト:峰岸達

★1990年角川書店刊の単行本「プレイバックへようこそ 2」の改題文庫化作品。
タイトルが変わったことと、第1章「深夜放送」の【スクラップ・データ】の土居まさるさんの写真が省かれていること、宮沢章夫さんの解説がついたこと以外は単行本と全く同じ。「あとがき」も単行本の再録だし、峰岸さんのイラストもそのまま使われているので、この本に関しては、単行本か文庫どちらか入手しやすいほうを持っていればよいと思います。

1992年

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地」
集英社コバルト文庫
1992年3月10日発行
定価400円
イラスト:飯田晴子







★真秀は湖の国、淡海で育った。そこは息長族の国だが、真秀はその一族ではない。ヤマトの大豪族の首長がどこかの奴婢に生ませた子で、息長の首長の真若王、丹波の首長の美知主とは異母兄妹である。母の御影はここ数年業病で苦しんでいる。その病によく効く熊の血凝をやるから取りにこい、という美知主からの伝言に、真秀は、不思議な霊力を持つ兄の真澄と、丹波へ向かう船に便乗した。
<目次>
[真秀の章]
第一章 巫王の血脈
第二章 月が満ちるとき
あとがき

「クララ白書」の頃に古事記にはまってるとおっしゃっていて、「ヤマトタケル」で古代ものの種が生まれて、構想6年でついに「銀金」の連載が始まって・・・ほんとに、わくわくした。この本のあとがきでは、真秀の章で4冊、全体としては20冊くらい?の予定だったみたい。

「いっぱしの女」
筑摩書房
1992年5月8日発行
定価1200円
B6ハードカバー
装丁:ミルキィ・イソベ







★30すぎたら何かが変わる?!
つっぱらず、こびず、流されず、きっちり生きてる女の”いっぱしのエッセイ”
豪華おまけ/高泉淳子さん(遊◎機械全自動シアター)との”狭間の世代”対談つき。
<目次>
まえがきにかえて
いっぱしの女の”夢の家”
いっぱしの女のため息
いっぱしの女から男たちへ
いっぱしの女の生きる時代
対談 いっぱしの女 大いに語る☆高泉淳子+氷室冴子

対談の中に、当日(1991年11月30日・新宿)の写真が3枚(氷室さん、高泉さん、氷室さん+高泉さん)掲載されている。
氷室さんが書いていたのが、「少女小説」と呼ばれるジャンルだったために、インタヴューや編集者とのおつきあいや、いろんな仕事の上で、彼女のセルフイメージや考え方と、世間の持っている少女小説家へのイメージや先入観とのギャップが大きくて、そのことに悩んでいた時期があったんだな、と、いろんなエッセイなどを読み返して思った。
この本は、まえがきに書かれているように、「それまでは、新聞を読んで腹を立てたり、本を読んでぼんやり考えたり、映画をみて楽しかったりしても、それはどこまでも個人的なことだと割りきり、ストレートなかたちでは書いたことがなかったのだけど、その一件(店主・注:「やっぱり、ああいう小説は処女でなきゃ書けないんでしょ」というとんでもない質問をされたこと)があってから、いつか機会があったら、原稿を書くときの、そのときどきのリアルタイムの雑感を書いてみたいなあと思うようになっていた。」というのがきっかけのようだ。
あたしは「作品のキャラやイメージや文体=作家さん」というふうには全く思ったことがなかったので、あまりにも、この手の事柄で氷室さんがたくさん苦労をされたらしいことにびっくりしたのだけど、瑠璃さんでもなく、利根でもなく、しーのでもない、「作家・氷室冴子」さんの考え方や生き方は非常に共感できるものだったし、そういう意味で、氷室さんの人となりがエッセイというかたちで読めるのはファンにとってもご本人にとってもよいことだったんじゃないかと思った。

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地2」
集英社コバルト文庫
1992年8月10日発行
定価390円
イラスト:飯田晴子







★真秀は息長の邑で母と兄の三人で暮らしているが、息長族ではないため強いヨソ者意識を持ち、母の故郷・佐保に憧れている。母の病に効く薬を貰うための丹波への旅から帰った真秀に、息長の若首長・真若王は微妙な関心を寄せ、鮒彦も何かと親切にしてくれる。その真秀は初月立を迎え、月の忌屋にもう十日も篭っている。ようやく忌明けが告げられたが、真若王の命を受けた使いが待っていた。
<目次>
[真秀の章]
第三章 滅びの子
第四章 佐保彦の王子
あとがき

あとがきでは、読者の反応についての話(佐保彦が評判悪くて、氷室さんはショックだったらしい)とイラストの飯田晴子さん起用のときの顛末が語られている。今では、飯田さんはたくさんコミックスを出していて漫画家としても有名だけど、当時はまだイラストの仕事を始めたばかり・・・小説「幻奏王」(手塚一郎)の本のカバーの絵にほれ込んだ氷室さんが、あちこちツテを辿って大捜索したという・・・(笑)素晴らしい先見の明です。

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地3」
集英社コバルト文庫
1992年11月10日発行
定価420円
イラスト:飯田晴子







★真秀は夢をみた。神夢である。建埴安王の叛乱―。追討軍の副将として日子坐がいる。叛乱軍は討たれ、一族の姫・和訶羅姫も殺された。何とむごいことか。真秀は日子坐を殺したいと思った。次にみた夢は、日子坐と御影との出会い、彼の子を産んだ後の御影のみじめな生活だった。神夢をみた真秀、傷ついた真澄、御影たちを美知主がみまった。美知主がいなくなった後、何者かが三人を襲った。
<目次>
[真秀の章]
第五章 銀の鈴
第六章 禍つ恋
あとがき

あとがきは「銀金用語解説」、滋賀県三上山の遺跡の話、舞台のことなど。


1993年

「冬のディーン夏のナタリー3」
集英社コバルト文庫
1993年1月10日発行
定価420円
イラスト:藤田和子









★高校時代に自分をフッたゆり絵が目の前で倒れた。ひとりで看病する訳にもいかず、因縁の相手・蓉子に手伝いを頼むワタル。なんだかワタルの優しさが次々にトラブルを呼んでいるかのようだ。でも、弟・タケルが蓉子を殴ったと聞いては、さすがのワタルも黙ってはいられない。きっちり決着をつけるべくタケルのもとにのりこむが…。いよいよ盛りあがる青春キャンパス・コメディ第3弾。
<目次>
第四章 夏のナタリー3
機,△里劼箸詫イ靴
供〕爾瓦呂鵑魄貊錣
掘[愛をしよう
リプレイ―番外編
あとがき

キャンパス編にいくまえのとりあえずの完結編。続きが書かれることはなかったけど・・・。銀金も、すでに始まっていたし、この頃の氷室さんには、きっと書きたいことがあまりにもたくさんありすぎたんだろうな、と思う。そのとき、興味をひかれたものを夢中で書いて・・・頑張っていらした。作品はいつだって、当時のかたちで読者に提供されるけど、書く作家さん本人は年齢を重ねて、好奇心の対象も、考え方も変わっていく。時間が経つと甘い果実みたいに熟しすぎて、同じ作品としてはもう頭の中から取り出せなくなることだってあると思うんだ。未完の作品については、そう受け止めることにしてる。責任感の強い人だったから、最後まで「あの本の続きを気にしてくれてる読者の方、ごめんね」って、思ってらしたんじゃないかなあ。でも、生きてるあたしたちには、「あれはねー、こうなってこうなるんだよっ!」って想像する楽しみが残されているから、それだけでいいんだ、きっと

「海がきこえる」
徳間書店
1993年2月28日発行
定価1200円
B6ハードカバー
イラスト:近藤勝也







★高知の高校を卒業した杜崎拓は、東京の大学に進学し、一人暮らしを始めた。その矢先、同郷の友人から武藤里伽子が東京の大学に通っていると聞く。里伽子は高知の大学に行っていたのではなかったのか?拓の思いは、自然と2年前のあの夏の日へと戻っていった。高校2年の夏の日、訳あって東京から転校してきた里伽子。里伽子は、親友が片思いする相手だけだったはずなのに・・・。その年のハワイへの修学旅行までは…。
<目次> 第一章 フェアウェルがいっぱい
第二章 マン
第三章 里伽子
第四章 里伽子ふたたび 第五章 やさしい夜
第六章 海がきこえる

1990年1月〜1991年12月(1990年2月号から1992年1月号)まで「月刊アニメージュ」で連載された作品。スタジオジブリの近藤勝也のイラストで話題に。この単行本にはそのうちの27枚がオールカラーで収録されている。1993年に近藤勝也が作画監督を務め、スタジオジブリの若手によりアニメ化された。

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地4」
集英社コバルト文庫
1993年3月10日発行
定価420円
イラスト:飯田晴子







★ 御影と真澄のために病にきく薬草をとりに山へ入った真秀は、佐保彦の妻問いの話を立ち聞きして、驚きをおぼえた。そのとき、黒ずんだ鹿の皮衣をまとい刺青をした男に口を塞がれ、「王子への恋は、禍つ恋だ。一族を滅ぼし、いのちを奪う恋だ」と忠告された。男の名は波美王―。狙った者は必ず殺すという闇の猟人だった。一方、燿目は真秀、真澄、御影の三人を焼き殺す機会を狙っていた…。
<目次>
[真秀の章]
第六章 禍つ恋(承前)
あとがき

一応、「真秀の章」は4冊・・・という予告をされてたんだけど、愛と憎しみがうずまく、ものすごい展開となり、あっさり前言撤回。「オールスター・キャストにふさわしい運命が入りみだれて、うつくしい一枚の古代布を織りあげるように―銀金の物語は続きます。」とのこと。あたしはうれしかったです。つーか、きっと4冊じゃ無理と思ってました(笑)えーと結果として11巻まで続きました。

「―海がきこえるより―僕が好きなひとへ」
近藤勝也との共著
徳間書店
1993年5月31日発行
定価1200円
18×21センチソフトカバー






★「海がきこえる」の本文コピーと書き下ろしの拓から里伽子への手紙「里伽子へ」に近藤勝也のメモリアルイラスト(オールカラー)をあわせた、画集というかイラスト集。
手紙は、拓が松野くんとそのイトコの大学生と山奥の温泉地に渓流釣りに行ったときの思い出を「これまでの人生で、あー、一番コーフクだなあ」と思ったこと、として綴っていて、「好きだ」とか「愛してる」とか里伽子への愛の言葉はひとことも書かれていないのに、それでも、ほのぼのとした素敵なラブレターである。

「冴子の母娘草」
集英社
1993年7月25日発行
定価1000円
新書版ハードカバー
意匠:原研哉/装画:宇田川のり子







★それは北海道に住む母と二人きりで向かった鳥取へのご先祖様墓参ツアーから始まった。結婚問題をめぐる数年来の母娘デスマッチのゴングが鳴る。話すほどに事態は混迷。母親がテレビの結婚相談に出演したことを知った娘は憤り、ついに絶縁状をたたきつける。恋愛、結婚、離婚、オンナの仕事、友情、そして世間とは。夢見がちな娘とニッポンの母の超パワフル激闘エッセイ。
<目次>
ご先祖さま探訪ツアーはこうして始まった/母娘旅行はつねに戦場である/恋人と母親のグチの違いを考察する/ゴングはすでに鳴っていた/私はなぜ恋愛問題で常に冷静なのか、について/人間、いやいや人生いたるところ青山じゃなくて戦場あり/女はトイレで泣いて生まれかわるのだ/最終戦争前夜/そして娘は伝家の宝刀を抜いたのだった/母の詫び状/母と娘の細雪/娘が母に離婚をすすめるとき/退職した父よ、もはや娘はあなたの味方ではない/ご先祖さま万々歳!/毎度おなじみのおひらきで・・・/番外篇・そしてコンサートの夜/あとがき


「氷室冴子読本 」
氷室冴子責任編集
徳間書店
1993年7月31日発行
定価1000円
A5ソフトカバー






★氷室冴子自身が編集長となった冴子BOOK。あなたの好きなそしてまったく新しい氷室ワールドへようこそ。
<目次>
新作書き下ろし短編「ハリーのいちばん美しい夏」
シンデレラ迷宮(脚色/成井豊・画/いのまたむつみ)
いもうと物語(コミック/ふくやまけいこ)
「海がきこえる」の世界(ぼくと里伽子のプロローグ/対談・中原俊vs氷室冴子/氷室冴子ロングインタビュー)
トークショー採録「空想からの発想」萩尾望都vs氷室冴子
マイディア冴子さん(川野俊彦・菊地博美・近藤勝也・山内直実・菊地秀行・望月智充&後藤真砂子)
氷室冴子の華麗な(追っかけ)1週間(撮りおろし写真&書き下ろしエッセイ)
サエコストーリー 作家氷室冴子の原点(構成・文 永倉万治)
評論・氷室冴子の文学(小森収)
あらカルトQ
全著作リスト
編集後記

今回のイベントにあたって、一番役に立ったのが、この本だ。ご本人のコメントつきで、この時点までの全著作が紹介されているし、対談やインタヴュー、日記風のエッセイや生い立ちなど、かなり、交友関係など、いろんなことがわかる。これはファンなら持っていて損はない1冊。入手が難しくて、店に出品は出来なかったけど、頑張って探して出したいなあ。

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地5」
集英社コバルト文庫
1993年8月10日発行
定価370円
イラスト:飯田晴子







★真澄との激しい闘いに敗れ、佐保彦の腹心・燿目が死んだ。その衝撃はあまりに深く、影の病となって真秀を苦しめる。そんな真秀に近づいてきた佐保の一族の月眉児は妖しい幻影を見せて真秀を惑わせ、再び遭遇した謎の男・波美王はやさしい言葉をかけ真秀の心を和ませたのも束の間、何者かの依頼を受け真秀を誘拐する。次々襲いかかる苛酷な試練に翻弄され「滅びの子」真秀と真澄の運命は?
<目次>
[真秀の章]
第七章 まほろばの娘
あとがき

あとがきは、9月発売予定(氷室さんの予想通り12月に延びた)の「おちくぼ物語」(講談社)のこと、銀金の元ネタになった「古事記」の佐保彦の叛乱のことなど。イラストの飯田晴子さんの書いたものが1ページ収録されている。

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地6」
集英社コバルト文庫
1993年10月10日発行
定価390円
イラスト:飯田晴子







★波美王によってさらわれた真秀。依頼主の目的は、佐保彦を息長から立ち去らせることらしいのだが…。一方、真秀はわずかな隙をついて、自力で脱出を試みる。はたして、佐保彦はどう決断を!?
<目次>
[真秀の章]
第七章 まほろばの娘(承前)
あとがき

この巻のあとがき最高です(笑)5巻のあとがきの飯田さんのページで、ちらっと出てきた銀金学園ヴァージョンの話の反響がすごかったらしく、その話題なんだけど。えーと、希代のストーリーテラーである氷室さんは、「なんて素敵にジャパネスク」の吉野取材のとき山内直実さんとジャパネスク学園ヴァージョンで大いに盛り上がり、その癖で飯田さんと雑誌の取材旅行に行ったときにも、出たらしいんです、暴走族がらみの裏・銀金が(笑)うーん。ほんとに想像力豊かな人だ、氷室さんは。今回も飯田さんのページあり。というか10巻までシリーズ化。


「落窪物語<少年少女古典文学館3>」
講談社
1993年12月10日発行
定価1700円
15・5×22センチハードカバー
イラスト:三木由記子







★つぎからつぎへと、めまぐるしいばかりに展開するストーリー。
おちくぼ姫と阿漕の女組と右近の少将と帯刀のみごとな主従コンビ。
そして真打ち、かたき役の北の方+北の方にいいようにあしらわれている中納言のご夫婦。私はこの『落窪物語』を、平安文学の吉本興業か、松竹新喜劇か―と冗談でいってしまうのですが、まさしくそんな感じの物語です。
善玉悪玉のキャラクターがはっきりしていて、なにより目のさめるほどみごとな、ぴかぴかの悪玉の北の方が、最高に素敵(氷室冴子「あとがき」より)
<目次>
第一章 おちくぼ姫と右近の少将
第二章 北の方の逆襲
第三章 三条邸の夜
あとがき(氷室冴子)
解説・『落窪物語』への招待(伊井春樹)
落窪物語原文(一部抄録)
いじめ、いびりにめげず、めざそう玉の輿!
継母にいじめられ、召し使いのような日々をすごす落窪姫。でもある日、すてきな青年左近の少将に見そめられ、二条のお邸にひきとられて・・・。
早くに母を失った姫君が、継母にいじめられ、苦労しながらも、やがてすばらしい貴公子とめぐりあい、幸せを得る、日本の王朝シンデレラ物語。生身の人間の喜怒哀楽を興味深く描いた大衆文学として、長く読み継がれ、語り継がれてきたロングセラーであり、少女小説の古典的傑作ともいえる作品。この作品の現代語訳に氷室さんを起用した講談社さんは、えらい!最高だ!
古典に興味のある子どもや大人はもちろん「なんて素敵にジャパネスク」が大好きだった人には馴染みやすい世界。
(大部分が氷室さんの創作と言ってもいいほど)作者の脚色も入った楽しい物語、わかりやすい現代語訳 、イラスト入りの用語解説、三木由記子のロマンティックで美しい挿絵、シリーズ全体の装丁は菊地信義と言うことなしの児童書。


1994年

「シンデレラ迷宮」
集英社
1994年1月25日発行
定価1200円
B6変型ハードカバー
装画・装丁・本文イラスト:GEN'S WORKSHOP






<目次>
序 章 目覚める前に・・・
第二章 目覚めた朝はお茶会だった
第三章 森を出るべきではなかった
1 王妃の正体
2 森を出るべきではなかった
  第四章 シーラカンスの夢
1 舞姫の正体
2 シーラカンスの夢
第五章 シンデレラ迷宮
1 嘆きのシンデレラたち
2 もーにん
あとがき
★ファンタジックに精神世界の旅を描いた氷室さんの名作「シンデレラ迷宮」(集英社コバルト文庫)のリニューアル単行本。内容は、一読する限りではいじってない。演劇集団「キャラメルボックス」による舞台(ミュージカル)化にあわせて、大人の読者も手に取りやすいようにというお化粧直し的な外装のみリニューアルの再版。不思議の国のアリスっぽい雰囲気のイラスト。 あとがきは1993年12月に書かれた書き下ろし。

絵物語「シンデレラ迷宮」
原作・氷室冴子/絵・いのまたむつみ/構成・成井豊
徳間書店
1994年3月31日発行
定価1400円
A5ハードカバー






★私を見つめて。お願い 私を愛して。
人を好きになるのはつらいこと。でもその迷宮の出口を見つけるのはあなた自身。氷室文学の名作をいのまたむつみ&成井豊のコンビではじめて絵物語に。あなたのステキな恋を応援します。(帯より)
大学4年のとき、初めて「シンデレラ迷宮」を読んで、ボロボロのグチャグチャに泣いたという成井豊さん。9年経って、初めて氷室さんに会ったとき、いきなり「芝居にさせてください」と頼んでしまったそうだ(笑)
成井さん主宰の劇団キャラメルボックスによりミュージカル『シンデレラ迷宮』の上演が決定したのを記念して刊行されたオールカラーの美しい絵物語。
コバルト文庫の藤田和子さんイラストの「シンデレラ迷宮」にも、それはもう愛着があるけど、いのまたさんの描くオディールの燃えるような赤毛は、ほんとに綺麗だなあ。
あとがきの「自分にはない才能に出会えるから、私はときどき娘を養女にだします。これまで養父母先を誤ったことが一度もないというのが、私のひそかな自慢なんです。今回の養父母先はとりわけ・・・・。」という氷室さんの言葉が印象的だった。自作には、作家さんそれぞれこだわりはあると思うんだ。映像化やコミック化を好まない方もいらっしゃるし、かなり口を挟む人も多いらしいし、こだわるあまり自分でメガホンまで取ってしまった村上龍さんとか(笑)でも、氷室さんの「どーぞどーぞ」という心の広さ、というか、自分の手を離れたあとの潔さ(「好きにいじってかまわないですよ」とおっしゃるらしい)、他人の作品として「どういうものになるんだろう。どう料理してくれんだろう」という子供みたいな好奇心とか見てると、自由で大きな心の持ち主だなあ、氷室さんは・・・って思うのだ。

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地7」
集英社コバルト文庫
1994年2月10日発行
定価480円
イラスト:飯田晴子







★真秀をこのまま死なせたくない。佐保彦の決断と美知主の鮮やかな捜索により、真秀は無事に救出された。真秀の誘拐を企んだ忍人は無残な死を遂げ、忍人の最期をみとった妹の小由流は復讐を心に誓って姿を消す。息長に戻った真秀は、小由流を思いとどまらせようと必死に彼女の行方を追う途中、喪儀へと向かう佐保彦に再会するが、佐保彦には彼の知らないもうひとつの占が告げられていた…。
<目次>
[真秀の章]
第七章 まほろばの娘(承前)
あとがき

あとがきでは、初潮(生理)関連の話。女子には納得の感覚がいろいろ。男子のみなさんはちょっと理解しがたいかもしれないけど、初潮を迎えたことから、真秀の運命が大きく動き始めること、身体的な感覚を刺激する小説が書きたい、という話など、創作にまつわるエピソードでもあるので、ここ重要。今回も飯田さんのページあり。

「いもうと物語」
新潮文庫
1994年2月25日発行
定価400円
カバー:古瀬稔







★1991年刊行の単行本の文庫化。
単行本との違いは、「楽屋にて」という中島みゆきの解説というかエッセイが収録されていること。コンサートの後の楽屋で、氷室さんに解説を頼まれた話。

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地8」
集英社コバルト文庫
1994年8月10日発行
定価450円
イラスト:飯田晴子







★真秀が自在に真澄の霊力をひきだせるようになった今、追いつめられた美知主は佐保彦に取引きを申し出る。佐保彦が歌凝姫を妻問えば、佐保にとって「滅びの子」である真秀たちを美知主が始末するというのだ。重大な岐路に立たされ、迷う佐保彦。一方、真秀は真澄と御影を連れ、ついに大和へ向かう決意を固める。どんなことをしても真秀を息長から逃さぬため、美知主は非情な命令を放つが…。
<目次>
[真秀の章]
第七章 まほろばの娘(承前)
最終章 暁に甦る
あとがき

いよいよ最終章突入。だーれも転生してないけど、まだ、これは全体の中の序章なんだから、おげーおげー(笑)あとがきでは、舞台裏というか、銀金の設定である古代の「謎の4世紀」と呼ばれるあたり(300年代)の歴史と地理について。

「ターン―三番目に好き」
集英社文庫
1994年10月25日発行
定価380円
カバーイラスト:川村みずえ








★容姿も才能もヤル気も、まあ十人並み。母校の大学職員をしている田中鞠子は24歳。母のすすめで3ヶ月前にお見合いをしたばかり。相手の渡辺クンは意外にもいい男で申し分のないお話なのだが──。そこに、親友に奪われた学生時代の恋人・幹彦が離婚したという噂が入ってきて、友人の結婚式で再会とは。よくあるパターンと思いつつも……。人生の最初の曲がり角で恋と仕事と結婚に揺れる女の物語(背表紙の内容紹介より)
1991年11月集英社刊の単行本の文庫化。
一読したかぎりでは改稿はなし。
解説:わかぎえふ


1995年

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地9」
集英社コバルト文庫
1995年1月10日発行
定価420円
イラスト:飯田晴子







★母・御影の死は近い。その死を安らかに迎えさせるため、真秀は真澄とともについに佐保を訪れた。“滅びの子”の出現に戸惑う佐保。かつての予言を証しするかのように、次々と禍々しい出来事が佐保に襲いかかる。他族を容易に寄せつけぬ佐保のしきたりを破って、中毒した大王を迎え入れ、さらには佐保姫が何者かにさらわれた。誰が、なぜ、何の目的で―佐保の運命が大きく動きはじめていた。
<目次>
[真秀の章]
最終章 暁に甦る(承前)
あとがき

3年もの連載で、登場人物の年齢や人間関係もややこしくなる・・・のは書いてるご本人も同じ(笑)あとがきでは、「最終章における登場人物の年齢および過去の事件など」という覚え書きというか設定資料が公開されている。



「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地10」
集英社コバルト文庫
1995年5月10日発行
定価450円
イラスト:飯田晴子







★ 「わたしが考えているのは、佐保彦の王子を裏切ることだ」佐保の長老・穂波は、ついに真秀を抹殺することを決意した。穂波の心に共鳴した速穂児は、佐保の隠された霊威“那智”の憑依坐となって、真秀との最後の闘いに挑む。大闇見戸売と御影がまさに死を迎えようとする中、互いの凄まじい霊力をぶつけあう真秀と“那智”の壮絶な死闘の果てに、すべてを覆す衝撃の真実が待ち受けていた―。
<目次>
[真秀の章]
最終章 暁に甦る(承前)
あとがき

あとがきでは、阪神大震災の話(この年の1月だった)と、もうすぐクライマックスということで、銀金を書こうと思ったときの、ご自分の中でのテーマについても語られている。

「海がきこえる2 アイがあるから」
徳間書店
1995年5月31日発行
定価1200円
B6ハードカバー
イラスト:近藤勝也






★大学1年の夏、杜崎拓は故郷高知に帰省した。親友・松野と里伽子のわだかまりも解け、気分よく東京に戻った拓の部屋に、年上の女性、津村知沙が入り込み泥酔し寝ていた。「その年上の女、たたるぞ」という松野の言葉が拓の脳裏に甦る。不倫の恋に傷ついた知沙。離婚した父とその再婚相手との間で傷つく里伽子。どうしたら人は人を守れるのだろう?さまざまな思いと痛みが交錯しながら拓は東京ではじめての冬を迎える。
<目次>
第一章 夏の終わりに
第二章 リハビリ
第三章 戦争の理由を知ってる
第四章 他人より遠い
第五章 痛々しいから愛しい
第六章 アイがあるから
終 章 海がきこえる
あとがき
「海がきこえる」の書き下ろし続編。近藤勝也によるイラストも描き下ろし(オールカラー)で多数収録。いろんなところでおっしゃってるように「アニメージュ」連載から「海がきこえる」の単行本化にあたって、かなり削ったり訂正した結果、影が薄くなってしまった氷室さんお気に入りのキャラ 津村知沙をあのままにしておくのがしのびない、という動機でいろいろ考えているうちに、ほとんどのイメージができたという。

「いっぱしの女」
ちくま文庫
1995年9月21日発行
定価420円
カバーデザイン:泉沢光雄








★「あたしもいっぱしの女なんだから、しっかりしなきゃ」。男友だちの言葉になるほどと思い、事あるたびにこう呟くことを処世術にしてきた。女の友情のすばらしさとはかなさ、男からの心ない一言、親のすさまじい結婚攻勢…次々におそいかかる日常の様々を、素直に、鋭く、そして圧倒的にたくましく書き上げられた、胸のすくエッセイ集。高泉淳子さん(遊・機械全自動シアター)との対談付き。(背表紙の紹介文から)
1992年筑摩書房刊行の単行本の文庫化。あとがきなどの書き下ろしの文章はなし。単行本との相違点は、装丁と、清野徹による解説、対談の写真が省かれていること。
カバー見返しの著者紹介の写真がお美しい(笑)

「ホンの幸せ」
集英社
1995年9月30日発行
定価1300円
B6ハードカバー
装丁:原研哉







★真実はひとつではない!
古典からハードボイルド、少女小説、日記、評論まで硬軟自在に本を解体。極私的生活雑感をちりばめて繰り広げるエッセイ風ブックガイド。愛と勇気と正義と笑いが止まらない辛口コラム。(帯から)
<目次>
疑深造呂劼箸弔任呂覆
矯埜紊粒擶
恵翡の証明
庫椶粒擇靴
垢笋譴笋
第1章は、岩波書店から1991〜1994年まで刊行されていた雑誌「よむ」、第2章は、トーハン(大手出版取次さんですね)の「新刊ニュース」、第3章は「社会新報」(社民党の機関紙)に掲載されたもの、第4章は、田辺聖子、瀬戸内寂聴、群ようこ、池田理代子の文庫の解説、第5章は、「本の雑誌」「フェミナ」「野性時代」など各社の様々な雑誌に書かれた本に関する文章を集めたもの。 古典に関する造詣の深さはさすが。興味のアンテナの方向の広さや子供のような好奇心も、「氷室さんだなあ・・・」と笑いがこみあげてくる感じで楽しい。宇能耕鴻一郎先生のポルノについての一文には激しく同意(笑)そういえば、初めて富士見ロマン文庫の存在を知ったのは氷室さんの「恋する女たち」で、多佳子が本屋で「エロティックな七分間」を買うシーンでだった。(あれって装丁が金子國義で素敵なんだよねー。笑)あたしが初めて買ったのは「O嬢の物語」だけど。

「海がきこえるCOLLECTION」
主演 武田真治/原作 氷室冴子
徳間書店
1995年12月31日発行
定価1800円
26×21・5センチソフトカバー






★武田真治初主演クリスマススペシャルドラマ「海がきこえる アイがあるから」の完全ガイド。
<目次>
フィルム・ストーリー(撮影・谷尚樹)
SPECIAL TALK "キス"で終わりたくなかったラストシーン(武田真治×氷室冴子)
武田真治インタビュー・エッセイ
ドラマシナリオ「海がきこえる アイがあるから」(岡田惠和)
「海がきこえる アイがあるから」制作日記
キャストインタビュー(袴田吉彦・林泰文)
ドキュメント 里伽子誕生
里伽子は女の子から見て可愛い存在かも(佐藤仁美)
「海がきこえる」ドラマ化インサイド・ストーリー(鈴木基之)
武田真治ピンナップ
近藤勝也描き下ろしピンナップ
原作者・氷室冴子インタビュー
「パート兇蓮▲璽蹐らスタートする物語です。」
近藤勝也インタビュー
海がきこえるFORUM KEYWORD
エッセイ(大森望)
レビュー(小森収)
もちろん、みどころは武田くんとの対談と氷室さんのインタビュー。
どちらにも、「海がきこえる」の創作秘話的な部分だけでなく、「書く」ことに対する氷室さんの姿勢、方向性が読み取れる対話で、とても興味深い。


1996年

「古代転生ファンタジー 銀の海金の大地11」
集英社コバルト文庫
1996年1月10日発行
定価490円
イラスト:飯田晴子







★大闇見戸売のため、佐保の喪儀がはじまろうとしていた。真秀と真澄は、霊力を使って、御影をともに弔うことにした。すべてが終わった後に、ふたりで佐保を立ち去るつもりで。だが、静かな暮らしを望む真秀を待ち受けていたのは、どこまでもふたりを押し流す、さらなる激しい運命だった―。怒涛の大河ロマン、ついに第一部完結。その後の真秀と波美王の描いた番外編「月がみていた」も収録。
<目次>
[真秀の章]
最終章 暁に甦る(承前)
月がみていた 
あとがき

第一部が終わってのあとがきには、多すぎて目次には載せられなかったという各章の小見出しのこと(そのまま本のタイトルに使えそうな素敵な題がたくさんあった)、「共寝」のこと、これから始まる「佐保彦の章」への抱負みたいなことが書かれている。本当に・・・本当に、この続きはもう読めないのか・・・(涙)この物語に関しては、あまりにもすごすぎて、凡人のあたしには先の展開を想像できません、氷室せんせー。いくらでも身体貸しますから、霊界自動筆記とか・・・無理か(汗)

「ざ・ちぇんじ!(前編)」
集英社 Saeko's early collection―volume.1
1996年3月30日発行
定価1300円
B6ハードカバー
デザイン:contemporary production






★集英社文庫コバルトシリーズの初期作品を大人にも手にとりやすい落ち着いた装丁で再刊したリニューアル単行本で、プチ全集的なシリーズ「Saeko's early collection」(全8巻)の第一弾は「ざ・ちぇんじ!」
他の本と比べて、平安ものである本書は固有名詞の陳腐化などがあまりない分、史実に照らし合わせた弱冠の言葉の変更、「言う」がすべて「いう」になっている以外は大きな直しはないと思う。でも、このシリーズの装丁って結構素敵なので、コバルト文庫買うのはちょっと恥ずかしいよー(汗)という年輩の方、男性の方には、いいよね。
この巻は、あとがきはなし。

「ざ・ちぇんじ!(後編)」
集英社 Saeko's early collection―volume.2
1996年3月30日発行
定価1300円
B6ハードカバー
デザイン:contemporary production






★リニューアル単行本シリーズ「Saeko's early collection」(全8巻)の第2巻。
刊行の1996年時点のあとがきつき。
公開対談のとき司会を担当した二十代後半の女子アナに「高校生のとき読んでました」と言われて、「私って、そんなトシ・・・」と思ったエピソードとともに読み返して、「若さの勢いや、ノリのよさ」をわれながら楽しんだと書かれています。

「冴子の母娘草」
集英社文庫
1995年6月25日発行
定価440円
イラスト:宇田川のり子








★1993年7月集英社より刊行の単行本の文庫化。解説は田辺聖子。

「クララ白書機
集英社 Saeko's early collection―volume.3
1996年5月30日発行
定価1400円
B6ハードカバー
デザイン:contemporary production






★「クララ白書」(元本は集英社文庫コバルトシリーズ)のリニューアル版の単行本。1996〜1997年に全8巻(「ざ・ちぇんじ!(前後)」「クララ白書機Ν供廖屮▲哀優糠鮟餃機Ν供廖峪┻鏤代機Ν供廚裡減)刊行された「saeko’s early collection」の3巻にあたる本。 単行本化にあたり、かなり、手が入ってる。クララほどの名作にしても、その時点での中学生や高校生の「今」を描いた作品である以上、固有名詞や流行語などの陳腐化は避けられない。昔の読者はそれを含めて「懐かしい」と感じるだろうから、全くいじらないのも選択肢としてあるけど、氷室さんはあとがきで、『いまだに愛さずにはいられない作品だなーと実感したからこそ、いま読んでも、それなりに面白いと思っていただきたくて、今の作品として読んでいただきたくて、あえて手を入れました』と書かれています。読み返したけど、クララ白書はやっぱりクララ白書でした。おもしろかった。

「クララ白書供
集英社 Saeko's early collection―volume.4
1996年7月30日発行
定価1400円
B6ハードカバー
デザイン:contemporary production






★集英社文庫コバルトシリーズ「クララ白書ぱーと供廚離螢縫紂璽▲訝厩塰棔「Saeko's early collection」(全8巻)の第4巻。これも、固有名詞を中心にかなり、手が入ってる。 まあ、「ロミオとジュリエット」はもともとリバイバルという設定だけど、そのとき上映中の映画が聞いたこともないほど古いものだったら、若い読者は「え?」と思うだろうし。でも、マッキーの様子が変!としーのと菊花が相談しあう場面で、マッキーがコーヒーに入れるのが、ミルキィパウダーじゃなくて、クリームになってるのに時の流れを感じた・・・(笑)あとがきも書きおろし。女の世界の<人間関係>術についての氷室さんの独断と偏見として、女性には2つのタイプがあること、姉妹のいる女性は同性と相性がいい、などの考察が。氷室さんには<女の敵は、女>という同性観がなくて、同性は甘えられる姉のような人か、自分がお姉さんぶれる妹みたいな人という感覚だったんだとか。それは「クララ」「アグネス」に反映されていて、女同士が、男性や仕事をはさんでライバルや利害が一致しない関係になる前の「女の子だけの蜜月」の時代が描かれてるから、こんなにも懐かしくて愛しいんだろうなあ、って思ったりしました。あたしはひとりっこだけど、お姉さんがほしかった。奇跡の高城さんみたいな(笑)

「アグネス白書機
集英社 Saeko's early collection―volume.5
1996年9月30日発行
定価1400円
B6ハードカバー
デザイン:contemporary production






★初期作品のリバイバル版「Saeko's early collection」(全8巻)の第5巻。
「アグネス白書」の改題単行本化。「クララ白書」ほどではないが、こちらも固有名詞や言い回しを中心に手直し。あとがきは書き下ろし。この巻では、くるみ屋のシフォンケーキのこと、虹子女子・白路さんのモデルである大学時代のクラスメートのことが書かれている。

「アグネス白書供
集英社 Saeko's early collection―volume.6
1996年11月30日発行
定価1300円
B6ハードカバー
デザイン:contemporary production





★「Saeko's early collection」(全8巻)の第6巻。
集英社文庫コバルトシリーズの「アグネス白書ぱーと供廚硫題単行本化。「クララ白書」ほどではないが、こちらも固有名詞や言い回しを中心に手直し。あとがきは書き下ろし。テレビ番組の収録で20年ぶりに母校を訪れたことなど。


1997年

「雑居時代機
集英社 Saeko's early collection―volume.7
1997年1月1日発行
定価1400円
B6ハードカバー
デザイン:contemporary production





★「Saeko's early collection」(全8巻)の第7巻。
この巻はあとがきはなし。目次のタイトルなど少し手直し。でも、何より特筆すべきは、ついに、ついに・・・氷室冴子ワールドの七不思議(七つもあるのか?!笑)の筆頭である、叔父姪婚の謎が、訂正されたこと(汗)
なんだか、すっきりしたような寂しいような複雑な気持ちだ(笑)えーと、知らない方のために書いておくと、主人公数子さんの愛する人は実の叔父の譲さんで、新妻・清香さんを蹴落として、なんとしてでも譲さんの嫁に・・・というのが、このお話の基本設定で、サブキャラの鉄馬も、普通にそれがありな感じで会話してて・・・これって、いいの?というのがファンの長年の悩みだったんです(笑)日本の法律では、叔父姪婚ってダメだったような???。多分、古典に親しみの深い氷室さんだから、古代では、近親婚なんて、ばりばりOK(異母兄弟でも可)なので、叔父姪なんて全然大丈夫♪と思い込んでおられたのではないかと。他のエッセイなどでも、思い込みが激しい(よく友人に間違いを指摘される)と書いてらしたので・・・。それが今回の加筆訂正で、お祖父ちゃんがひきとった友人の息子という設定に直されているのだー。うーん。氷室さんは、どんなお気持ちだったのかなあ。「しまったー!!」とか思ってらしたのかな(笑)それとも、「物語の中の日本では叔父姪婚はありなのっ!まあ、一応、直しておくけどさ」と笑ってらしたのかも。

「雑居時代供
集英社 Saeko's early collection―volume.8
1997年1月1日発行
定価1400円
B6ハードカバー
デザイン:contemporary production





★初期作品のリニューアル単行本化シリーズ「Saeko's early collection」(全8巻)の最終巻。集英社コバルト文庫版に加筆訂正。あとがきは書き下ろし。「邸宅」に住むのに憧れて不動産のチラシを見るのが好きだった20代のときのこと、ちょっとした口癖の話。このシリーズで品切れ状態になっている他の作品も出してほしかった・・・。

「古代転生ファンタジー銀の海金の大地イラスト集 」
飯田晴子/氷室冴子
集英社
1997年11月5日発行
定価1365円
A5ハードカバー






★古代転生ファンタジー「銀の海 金の大地」のイラスト集。
もちろんコバルト文庫でイラストを担当されている飯田晴子の手によるもの。
カラーイラスト集・キャラクター設定集・スペシャル漫画パロディ編(あとがき劇場の拡大版)と氷室冴子による書下ろし小説『「銀の海 金の大地」特別編 羽衣の姫』を収録。


1998年

「ホンの幸せ」
集英社文庫
1998年9月25日発行
定価500円
カバー:日下潤一








★様々な雑誌に掲載されたエッセイや文庫の解説をまとめたもの。本とつきあう楽しみや、本と暮らす幸せが詰め込まれている。漫画から大衆文学、純文学、そして評論まで、ジャンルを問わず、古今東西、硬軟自在、縦横無尽に「本」を取り上げ、著者自身の本に囲まれた生活を交えた辛口爆笑エッセイ。もっと本と親しんでみようと考えたら、まず手に取ってみたい一冊。(背表紙の紹介文から)
1995年刊行の単行本の文庫化。解説は来生えつこ。


1999年

「なんて素敵にジャパネスク―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年4月10日発行
定価533円+税
イラスト:後藤星








★集英社コバルト文庫では、榎木洋子の「龍と魔法使い」シリーズなどでお馴染みの漫画家・後藤星のイラストで新装版の刊行がスタート。4月は本書と「なんて素敵にジャパネスク2」「ジャパネスク・アンコール!」「続ジャパネスク・アンコール!」の4冊同時発売。あとがきは書き下ろし。ジャパネスクを書くことになったきっかけなど。峯村さんイラストの旧版に愛着はあるけど、新しいあとがきが読みたくて店主も買いました。いわゆる<吉野君編>が一挙に読めて、懐かしさでいっぱいに。本文も少し手直しが入っています。

「なんて素敵にジャパネスク2―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年4月10日発行
定価533円+税
イラスト:後藤星







★あとがきは、ジャパネスク観光編。奈良の西大寺、京都の宇治、大原の勝林院など、お気に入りの場所とイメージを使ったジャパネスクのシーンなどについて書かれている。

「ジャパネスク・アンコール!―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年4月10日発行
定価419円+税
イラスト:後藤星







★あとがきでは、守弥と煌姫について書かれています。なんと煌姫は、「源氏物語」のとある姫のパロディだとか。これは、びっくり。あ・・・そっか、美人だからイメージが結びつかなかったけど、確かに××なところはそっくり。と思わせぶりに伏せてみる(笑)よかったら、読んでみてください。

「続ジャパネスク・アンコール!―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年4月10日発行
定価495円+税
イラスト:後藤星







★新しいあとがきは、山内直実さんと行った吉野のこと、TV化のときに小萩を演じた中田喜子さんのこと、夏姫のことなど。

「なんて素敵にジャパネスク3<人妻編>―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年6月10日発行
定価514円+税
イラスト:後藤星







★あとがきは、「蜻蛉日記」のこと、作中に出てくる「風邪の見舞い」にかこつけて、氷室さんが寝込んでいるときに、お粥を作ってくれた男性との恋の話が。こういうご自身の話もさらっと書かれるようになったことに年月を感じました。いま、コバルトを買う中高生にはちょっと難しいかもしれないけど、年齢を重ねた後に書かれたあとがきは、しっとりとした風情があって、とてもいい。

「なんて素敵にジャパネスク4<不倫編>―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年6月10日発行
定価438円+税
イラスト:後藤星







★あとがきは、3巻に続いて「お粥リターンズ」(笑)お粥を作ってくれた彼が逆に寝込んでお見舞いに行ったら、元カノ登場、というドラマのようなエピソードなど

「海がきこえる」
徳間文庫
1999年6月30日発行
定価590円+税
イラスト:近藤勝也








★1993年2月刊行の単行本に加筆訂正を加えた文庫化。家賃や弟にあげたお小遣いなど、物価面の変動で弱冠手直し(笑)カラオケの曲がウインクからアムロになってたりもする。
あとがきは書きおろし。近藤勝也のイラストも単行本に掲載のものに、「アニメージュ」連載時の未発表のものも加えて再編集。かなり枚数が増えている。アニメのファンのためか、文庫のカバーは描き下ろしの近藤さん原画でジブリ協力。 解説:「海がきこえる」のロマンチシズム(宮台真司)

「海がきこえる供.▲いあるから」
徳間文庫
1999年6月30日発行
定価590円+税
イラスト:近藤勝也








★1995年刊行の単行本に加筆訂正を加えた文庫化。「海がきこえる」の文庫版と2冊同時発売。こちらも料理名や人名など少し手が入っている。バブルがはじけて不動産価格値下げ。あとがきは書きおろし。イラストも単行本に掲載のものに、「アニメージュ」連載時の未発表のものも加えて再編集し枚数増。
解説:私を変えた「海がきこえる」(岡田惠和)
岡田さんはドラマスペシャル「海がきこえる アイがあるから」の脚本を担当。

「なんて素敵にジャパネスク5<陰謀編>―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年8月10日発行
定価476円+税
イラスト:後藤星







★あとがきは、新装版刊行で、当時の流行語やパロディ造語などに関して、文章を手直しするにあたっての編集さんとのやりとりなど。

「なんて素敵にジャパネスク6<後宮編>―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年8月10日発行
定価476円+税
イラスト:後藤星







★内容の濃いあとがき。斎宮についてのあれこれ。横浜歴史博物館で見た斎宮歴史博物館展のこと。伊勢の斎宮と賀茂の斎院とが交錯するエピソードともいえる源氏物語の「車争い」のこと。伊勢の斎宮の元祖を言われているヤマトタケルの叔母・倭姫のこと。大津皇子の姉・大伯皇女のことなど。氷室さんと斎宮に関する事柄が交錯するのは、この年の運命だったのかなあ。この後、10月にホンモノの?斎宮歴史博物館のリニューアルのイベントに招待されたり、斎宮歴史博物館の榎村さんと雑誌で対談したりと、ご縁ができていくんだよね。この斎宮歴史博物館のホームページには、学芸員さんが斎宮の歴史や博物館のことを雑記帳風に綴られた「斎宮百話」「斎宮千話一話」というコーナーがあって、そこにも追悼文をはじめ、氷室さんに関する文章がいくつかあるので、興味のある方は見てみてください。

「なんて素敵にジャパネスク7<逆襲編>―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年10月日発行
定価381円+税
イラスト:後藤星







★今回のあとがきでは、成立、作者ともにまだ詳しい定説はないけれど、おもしろい平安ものとして、藤原道長の栄華を描いた「大鏡」を紹介。中でも、後一条天皇の即位のあと、東宮に立った敦明親王が、それを辞退したというエピソードが、帥の宮編のベースになっているという裏話が面白かった。

「なんて素敵にジャパネスク8<炎上編>―新装版―」
集英社コバルト文庫
1999年10月日発行
定価円
イラスト:後藤星







★最終巻の新装版書き下ろしあとがきは、7巻に続いて「大鏡」の小一条院の東宮位辞退事件の詳細。古典の中には、たくさんの高彬や瑠璃姫がいる、という、古い物語への素敵な誘いになっている。「なんて素敵にジャパネスク」の読者が平安時代を生きた人々に興味を持って、いろんな古典を読んでみよう、という気持ちになったら、きっと氷室さんもよろこんでくださると思う。


2001年

「クララ白書機
集英社コバルト文庫
2001年6月10日発行
定価562円+税
イラスト:谷川史子







★しばらく品切れ状態だった「クララ白書」の新装版。Saeko's eraly collectinから継承して タイトルは「クララ白書機廚法リニューアル単行本刊行時にかなり大幅な訂正が入ったのだけど、今回も固有名詞を中心に手直しあり。食料庫襲撃の場面でマッキーがレオタードの腰に巻いていたスカーフがハナエ・モリから、エルメスになったのに、時代の流れを感じる(笑)アラン・ドロンやレット・バトラーも退場・・・まあ、あたしが読んだ時点でもじゅうぶん、おじさんだったしなあ(笑)
あとがきは書き下ろし。イラストは漫画家・谷川史子が担当。可愛い絵です。コバルト文庫の人気作家・桑原水菜の解説も収録。

「クララ白書供
集英社コバルト文庫
2001年7月10日発行
定価562円+税
イラスト:谷川史子







★新装版の第2弾。旧集英社コバルト文庫「クララ白書ぱーと供廚魏題。こちらも時代に即した直しあり。あとがきでは、くるみ屋のシフォンケーキの話が。氷室さんの中では、クララとくるみ屋のシフォンケーキは、わかちがたく結びついているようだ。解説として、榎木洋子の「『クララ白書』はかくも楽しや」を収録。榎木さんが「アグネス白書」が楽しみ、って書いてらっしゃるけど、あたしも楽しみにしてた・・・てっきり、続けてアグネスの1、2も出るもんだとばっかり思っていたのだ。なぜ、出なかったのだろう???集英社さんに訊いてみたい。


2008年

6月6日。氷室冴子(本名・碓井小恵子)さん、肺がんで死去。51歳。
訃報で喪主のお名前を見て、<しーの>のお姉さんの名前は、氷室さんの大好きなお姉さんの 名前だったことを初めて知りました。
絶版・版元品切本の復刊、単行本未収録作品の書籍化、未発表原稿の書籍化がなされ、この 年表に追加できることを願っています。
心よりご冥福をお祈りします。


☆氷室冴子著作年表☆1978〜1990年こちらから。
☆氷室冴子著作年表☆アンソロジー・解説・インタビュー・対談・エッセイ編
こちらから。


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