茅田砂胡作品年表1


古本ぺんぎん堂のイベント出品のコーナーである
ぺんぎん百貨店8階催事場では、第7回の催しとして

「華麗なる舞闘会への招待〜茅田砂胡特集〜」

を開催しました。
店主が今いちばんのお気に入りの作家さん・茅田砂胡さんの作品を
できるかぎり紹介・販売しようという企画で、好評のうちに終了。
(イベントタイトルは、『舞闘会の華麗なる終演 暁の天使たち外伝1』から取りました。)
同人誌を除く全作品を紹介した渾身の企画でしたので、イベント終了後も、資料として残しておきます。

                 ★         ★        ★

彼女の作品の何が好き、って、
やっぱり、ひとつは、キャラクターの魅力でしょうか。
とにかく「強い」(笑)これに尽きます。
身体能力や、精神力が桁はずれなキャラが、てんこ盛り。
その中には、これは反則だよー、という、かなり特殊な境遇の人々もいるのだけど(笑)
彼らは、単に恵まれた人ではなく、
その特殊性のせいで、四六時中、命を狙われてたり、
誰にも共感してもらえない孤独を抱えたりしてる。
そして、その恵まれたある種の才能を最大限に使うために、
常に、普通の人間の想像を超えた鍛錬を自分に課している。

「天才と呼ばれる人は、
何かの才能を持っているのではなく、
その才能を発揮するために努力を惜しまない、
もしくはそれを努力や苦労だとは認識しない、
という資質に恵まれているのだ。
それは、大多数の人間にはできないことだから、
彼らは天才と呼ばれる」


というのが、店主の持論なんだけど、
まさに、そのことを体現したようなキャラがたくさんいます。
そして、彼らの強さ、才能は、決して自分の利益や名誉といったことには使われない。
それは、弱いもの、愛するものを守るために発揮すべき力だから。

さらに、特筆すべきは、「女性の強さ」かなあ。
茅田さんの描くヒロインには、ヒーローに甘えて寄りかかるだけの女性はいない。
みんな、自分の足できちんと立っていて、
ときには、ヒーローを逆に助けちゃったりするわけです(笑)
愛する人は、何よりの心の支えではあるけど、
生活やその他もろもろの事柄を依存する相手ではない、
ということ。
自分でちゃんと立てる女性は、社会的地位や経済的な条件ではなく、
ある意味、だけで、相手を選ぶことができるんです。
だから、世にも珍しい本物の純愛が生まれる。
『スカーレット・ウィザード』の主人公、ジャスミンが、
別の時間、別の場所で、三度恋をして、それが結果として、全部同じ相手だったのは、
純粋に心のままに求める人を選んだからだったんだと思う。

そして、もうひとつの魅力は、確固たる世界観と、その壮大さでしょうか。
現代モノのファミリー・ラブコメディである『桐原家の人々』と、
動物に変身する亜人種と人間が混在する世界を舞台にした『レディ・ガンナー』シリーズ、
は別として、
中央公論新社C★ノベルスファンタジアで刊行された
(『デルフィニア戦記』は後に、中公文庫で文庫化)

『デルフィニア戦記』
『スカーレット・ウィザード』
『暁の天使たち』
『クラッシュ・ブレイズ』
(刊行中)

のそれぞれのシリーズは、同じ世界観、登場人物で描かれた全部でひとつの大きな物語です。

一人の人間は、ほんとに、ちっぽけで、弱くて、
SFやファンタジーに出てくる夢のような技術は、
大掛かりな国家的な開発をもってしても、まだ、一部しか実現されていない。

あたしは、生きてるうちに宇宙に行くことも、たぶんできないし、
タイムマシンで、今はもう会えないあの人の姿を見ることも、
失った愛をやり直すこともできないし、
ロボットや異星人と愛を交わすこともできないだろう。

それなのに・・・
たった一人の人間の脳の中に、
壮大な宇宙が詰まってる

という不思議。
人間の想像力は、世界をまるごと作ってしまうことができるんだよね。
茅田さんの本を読むと、そのことに驚嘆するとともに、
とてつもない幸福感に包まれたりするわけです。

茅田さんの本は、再版、復刊含め、現在でも入手できるものが多いので、
うちで、まずは古本で、お試しで買って読んでくださるのも、うれしいのですが、
気に入ってくださったら、できれば、普通に買ってあげてくださいね(笑)
新刊で購入しても、決して損はない、とてもとても面白い本たちです。

店主は、落ち込んだとき、悲しいときは、いつも、茅田さんの本を読みます。

今、上手くいかない、と悩んでいるその事柄は、
本当に自分の最善を尽くした結果なのか?
って、まずは考える。
そうでないなら、現在の自分が出来る限りのことをやってみる。
全部やって、ダメなら、すべてを受け入れる潔さを持つ。
それが、自分の信条・価値観に照らして、
どうしても受け入れられないことなら、
もう、命を賭ける覚悟で、運命に抗う。
何もかもを自分で背負うくらいの気持ちで事に臨み、
自分の心、身体、夢、人生を決して、人任せにしない。

気楽に読める楽しい作品で、思わず吹き出してしまうような、笑える場面がたくさんあるけど、
茅田作品の登場人物の生き方には、あたしが理想とする「人の姿」があります。

一部の作品については、店主の書評ブログ『ぺんぎん図書館』でも紹介してるので、
興味のある方は読んでみてください。
『天使たちの華劇』茅田砂胡

古本ぺんぎん堂で現在販売中またはかつて販売した茅田砂胡さんの本は
こちら←クリックしてください。
で紹介しています。
(それぞれの本のタイトルまたは商品画像をクリックすると、
店主のブックレヴュー他、商品の詳細が見られます。)

*店のトップページ右のカテゴリー「店主の好きな作家―茅田砂胡」からも入れます。

以下は、店主が自分なりに作成した作品年表です。
茅田さんの作品はシリーズものがほとんどなので、シリーズ別に紹介したほうがわかりやすいかとは思いましたが、そういうものは、ファンサイトで作っている方もいらっしゃるし、
時系列で並べることで、
「ああ、これとこれの締切りが重なったから、
この時期のあとがきが、こんなに切羽つまってるんだな」
とか、
「ああ、このあとがきのときに書いていた構想が、この作品になったのか」
という時間の流れを感じることができるので、年表形式にしてみました。
これは、茅田さんの『デルフィニア戦記』が、
『王女グリンダ』を一から時系列順に始めることで、
新たな作品世界を得たことに習ってみました、というと大げさでしょうか。
とにもかくにも、読み物として資料として、お楽しみいただければ、さいわいです。

*なお、物語の核心には、なるべくふれないようにはしていますが、
すでに出版社からの内容紹介や新刊ニュースで書かれている程度の、
あらすじ登場人物名などは出てくるので、
未読の方、読む前のネタバレを嫌う方、まったくサラな状態で読んでみたい方は、
ご注意ください。

                            古本ぺんぎん堂店主 ぺんぺん 


                  ★         ★        ★




☆茅田砂胡作品年表☆

(1992〜2001年)


1992年

「王女グリンダ1 デルフィニアの姫将軍」
大陸書房・大陸ノベルズ
1992年2月8日発行
定価720円
イラスト:沖麻実也








★「デルフィニアはアベルドルン大陸の中央を三分する大国のひとつである。国王ウォル・グリークは即位の後、王家とは何の血のつながりもない少女グリンディエタ・ラーデン―リィを王女として迎えた。金髪碧眼の美少女は、その外見からは信じられない力と魂を持っていたのだった・・・。そのリィをつけ狙うのは、暗殺を生業とするシェラ。生き方も生命の輝きも、あまりに対照的なふたりの出会い。ファンタジーの新たなる章が、今ここに颯爽と登場した!」
(カバー背表紙の紹介文より)
<目次>
機銑将

記念すべき茅田砂胡のデビュー作
後に書かれる『デルフィニア戦記』の原型となった物語。
『デルフィニア戦記』の5巻『異郷の煌姫』あたり、リィとシェラの出会いを中心に描かれている。
ストーリーの描き方の細かな違いはあるが、基本設定、登場人物名などは、ほぼ『デルフィニア戦記』と同じで、このときには、もうすでに、あの壮大な物語の大筋は、作者の頭の中に、できていたのかと思うと感慨深い。
版元の大陸書房が倒産したため、絶版に。
『デルフィニア戦記』が人気を博し、原型であるこの本が読みたい、茅田さんの作品を全部読みたい、というファンがたくさんいるのに、入手困難になってしまい、中央公論新社から、『王女グリンダ』として復刊されるまで、オークションなどで1万円以上の高値がついたことも。
本文中にあとがきはなし。カバー表紙見返しの<著者のことば>として、
「ファンタジーというものが正確にはどういうものをさすのか、私は知りません。剣と魔法とドラゴンが出てくればいいのか、それとも不死身の英雄と美しい姫君のロマンスがあればいいのか。―だとしたら、この話は、およそファンタジーらしくないファンタジーです。」
とある。
でも、この『王女グリンダ』シリーズそして『デルフィニア戦記』は、すべてにおいて型破りな登場人物、物語の進行であっても、まぎれもなくファンタジーの傑作だと思う。

「王女グリンダ2 グランディスの白騎士」
大陸書房・大陸ノベルズ
1992年7月5日発行
定価720円
イラスト:沖麻実也


⇒この本を古本ぺんぎん堂で見る





★「デルフィニアの王女リィのもとに、縁談が持ち込まれた。
相手は新興国グランディスとはいえ、れっきとした皇太子である。この申し出にデルフィニア王宮は大混乱に陥ってしまった。リィは普通の王女ではないのだ。それを知らぬものはこのアベルドルン大陸にはいないはずなのだが・・・!
グランディスの思惑はどこに、何にあるというのだろう?
そして解決のためにリィが下した、とんでもない解決方法とは?
グリンダ・シリーズ待望の第二弾いよいよ登場!」
(カバー背表紙の紹介文より)
<目次>
機銑

『王女グリンダ』シリーズの第二作。
『デルフィニア戦記』の7巻『コーラルの嵐』あたりに書かれている、他国から、リィへの縁談が持ち込まれたことで巻き起こる顛末。『デルフィニア戦記』にも、同様のエピソード(他国からの縁談)はあるが、この本のグランディスという国、そしてグランディスの王子や騎士は登場しない。ここまで、刊行された時点で、版元が倒産。中央公論新社から、続きを出すことが決まった際に、(このシリーズでは初めから王女として登場する)リィと国王ウォルの出会い、という、物語の最初から始めてはどうか、という意見が。
これが、二人の出会いから、時系列に沿って描いていくという新しい『デルフィニア戦記』の始まりになった。茅田さんの中では、同じものだった『王女グリンダ』と『デルフィニア戦記』が別れたのは、ここから。時間が経つと、考え方、書き方が変わり、この『王女グリンダ』シリーズは、元は同じ話だけど、「物語の流れにつながらなくなってしまった、完全に取り残されてしまった一種のエピソード」になった。茅田さんが、どれほど強い読者の希望があっても、このシリーズの復刊を長く拒否し続けていた(2000年に、やっと復刊された)のは、そういう理由。だから、この先もこのシリーズの続きはない。それは、すべてデルフィニア戦記の中に書かれているから。でも、読者にとっては、初期の茅田さんの頭の中にあった、デルフィニアの原型を、こんなだったんだ、と楽しむことができるのはうれしいことだ。
復刊された中公版と違うのは、カバー見返しの<著者のことば><著者紹介>くらいかな。


1993年

「恋愛遺伝学講座 桐原家の人々1」
角川書店・角川ルビー文庫
1993年4月3日発行
定価510円
絶版または版元品切れ
イラスト:羽崎安実






★桐原家の三つ子、真己、都、猛は高校一年生。真己には、口にできない悩みがふたつある。色白ほっそり顔の家族の中、自分だけが違う。もうひとつ。都を、好きになってしまったみたい…。「おいっっ、都は兄弟で、ついでに男なんだ!俺は、俺は、どーしたらいいんだーっ。」 渦巻く情熱、沸き起こる疑惑。 パワフルで超マイペースな桐原さん家のコメディシリーズ第一弾。
<目次>
1〜12
あとがき

恋愛を書くのが苦手、という茅田さん。
「そうだ。恋愛は書けなくても変態なら書けるかもしれない!」ということで、
生まれたのが、この作品?!
いや、全然、変な話じゃないですよ(笑)
角川ルビー文庫といえば、言わずと知れたBL(ボーイズラブ)の宝庫。
茅田さんの本は大好きだけど、いままで、たくさんの本を読んできて、
どうしてもBLにだけは、はまれなかったあたし・・・。
この作品も、中央公論新社から復刊されるまでは、手にとれなかったんですが、
読んでみて、激しく後悔しました。
なんで、もっと早く読まなかったんだろうと。
思春期のほんの一時期、同性に惹かれるのは、男女を問わずあることで、
ルビー文庫を意識してか、そういう設定を使ってるけど、
この作品の本筋はBLではなく、家族の物語
他のいわゆるBL作品と比べたら、性描写なんて皆無だし、
まったりほんわかした家族愛の方が全面に出てるし、
「ああ。茅田さんはやっぱり茅田さんだなー」と実感する作品です(笑)

「放浪の戦士<デルフィニア戦記1>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1993年10月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★刺客に追われる漂泊の戦士ウォルと異世界からの迷子リィ。剣戟のさなか孤独な二人の戦士の偶然の出逢いが、デルフィニア王国の未来を、アベルドルン大陸の運命を大きくかえていく。やがて『獅子王』と『姫将軍』と呼ばれることになる二人の冒険譚はここからはじまる。
<目次>
序章
1〜11
あとがき

大陸書房の大陸ノベルズ『王女グリンダ』シリーズが、版元の倒産で中断してしまい、中央公論新社から続編が刊行されるにあたり、同じ構想を元に、主人公ふたりの出会いから、書き直されることになった『デルフィニア戦記』の記念すべき第1作。壮大なファンタジーの幕開け。
現在も、この新書版、文庫版ともに入手可能なので、どちらで揃えるかはお好みで。
新書版の特徴は、
・表紙とカラー口絵に沖麻実也さんのイラストが使われていること
・ほぼ各巻に著者の「あとがき」がついていること
・カバー表紙の見返しに、100字〜150字ほどの著者「コメント」がついていること
各巻のあとがきには、内容について、イラストについて、編集さんとの会話、日常生活、創作の苦労などが書かれていて、楽しいので、他の本を既読で茅田さんのファンの方、沖麻実也さんの絵が好きな方は、新書(ノベルス)版で、コンパクトなのがいい、年齢的にイラストの装丁はちょっと・・・(汗)、という方は文庫版で、でいいんじゃないかと思います。
各巻のタイトルが改題されていますが、加筆訂正、書き下ろしなどはなく、上記以外の本文の内容自体は同じ。


「黄金の戦女神<デルフィニア戦記2>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1993年11月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★卑劣な陰謀で偽王の濡れ衣を着せられ逃亡中の国王ウォルと異世界から落ちてきた少女リィ。盗まれた王座を奪回するため旅を続ける二人を慕って志を同じくする仲間が次々と結集する。ようやく国王軍の体を為し首都コーラルに向けて進軍する彼らを阻むべく待ちうける敵の大軍。そしてペールゼンの悪辣な罠が。
<目次>
1〜11
あとがき

あとがきに、「あとがきが苦手」という話が(笑)
読むと納得。本文でいっぱいいっぱいというのは、著者がいかに、その時点での最善を尽くして作品を書いているかが、わかる。


「恋愛心理学入門 桐原家の人々2」
角川書店・角川ルビー文庫
1993年12月3日発行
定価510円
絶版または版元品切れ
イラスト:羽崎安実







★桐原家の三つ子、眞巳(♂)、都(♂)、猛(♀)・・・。 思いもよらない出生の秘密、16年前の真実というヤツが発覚したばかりというのに、 次なる衝撃が待ちかまえているのだ、世の中っていうのは。 「異母兄弟だの、男にもてる親父だの、どうなってるんだ―!!」 泣くべきか、笑うべきか。超マイペースな桐原さん家のインモラル(!?)コメディ、第二弾登場。
<目次>
1〜12
あとがき

兄弟たちの父親に関して、またしても、少しだけBLっぽい設定が出てくるものの、あくまでもファミリー・ドラマなのがさすが(笑)今回は特に「母と娘の物語」といってもいいと思います。はっきり言って、この桐原家の物語は、可愛い少年たちが、どたばたと苦労する話だけど、真の主役は、肝っ玉の据わった、ものすごく凛々しい祖母、母、姉じゃないかと(笑)
あとがきに、「私の書く女の人というのは、こういう平たくいえばあまり女らしくないタイプ」と書かれていて、
「私がハーレクインロマンスを書くとしたら、荒馬に乗った女性が逃げる男性をすくい取りにして駆け去っていく、というというようなものができるだろう、と常々思っていました(略)」とも。
・・・あのー、これ、思い切り、後日描かれることになる『スカーレット・ウィザード』なんですけど(笑)
でも、あたしもそういう強い女性の物語が大好きです。


1994年

「白亜宮の陰影<デルフィニア戦記3>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1994年3月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★緒戦の大勝利にもかかわらずウォルの陣幕は沈んでいた。王冠を棄て軍を解散せよ、さもなくばフェルナン伯爵の命は保証しない―。大義のため養父を見捨てるかペールゼン侯爵の専横に屈するか。苦悩の選択を迫られたウォルは逆転を賭してリィに伯爵救出を託した。難攻不落のコーラル城リィはその最深部を見指すが…。
<目次>
1〜11
あとがき



「恋愛統計総論 桐原家の人々3」
角川書店・角川ルビー文庫
1994年4月3日発行
定価530円
イラスト:羽崎安実








★桐原家の三つ子、眞巳(♂)、都(♂)、猛(♀)は青春まっさかり。同級生から告白された眞巳くん。とはいえ、物語のようにはいかないのが世の常で、呉里六郷高校を駆けめぐる噂和のおそろしさよ。 「眞巳くんと都くんって、異常なくらいなかはいいよね。できてるんじゃない」 阿鼻叫喚の三つ子をよそに、超マイペースな大人のロマンス(?)なぞあって。 桐原さん家のウルトラホームコメディシリーズ、ここに完結。
<目次>
1〜15
あとがき

「タイトル大嘘の恋愛シリーズ」と作者が呼ぶホームコメディ、いったん完結です。
ほんと、ルビーでよくこんな、恋愛でもBLでもない作品書けたなあ(笑)
あとがきで、「番外編の構想がある」と書かれていて、零ちゃんの若い頃と、輪が出てくる学生時代の話、とのことなんだけど、このルビー文庫版では、番外編は書かれないままに、絶版または版元品切れになってしまいました。

「空漠の玉座<デルフィニア戦記4>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1994年6月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也


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★ついに、ここまできた―流浪の国王ウォルとリィの率いる軍は王都コーラルの目前に迫る。だが、救い出すべき父はすでに亡く、王座奪還の目算も潰えた。欲しいのはただ父の敵の首ひとつ。同胞相討つ内乱を避けるためわずかな供を連れ城に乗りこむ。ウォルの運命、そしてデルフィニアを巡る争乱の行方は。
<目次>
1〜11
あとがき

ここまでで第一部完結。

「異郷の煌姫<デルフィニア戦記5>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1994年12月10日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★デルフィニアの内乱に勝利してウォルは再び王座に就いた。黄金の戦女神と讃えられたリィもまた王女の称号を得て王宮に迎えられた。それから3年―平穏だった王都に暗雲が立ちこめる王宮に暗躍する謎の一族、リィをつけ狙う無気味な暗殺者、公爵家に不可解な挙兵の気配。陰謀を察知したウォルの決断とは。
<目次>
1〜10
あとがき



1995年

「獅子の胎動<デルフィニア戦記6>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1995年3月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也


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★騎士バルロが出撃する叔父のマグダネル卿を討つために。国内に争乱を呼ぶサヴォアー族の内粉とは、主家失脚を企む卿とその陰謀を阻止せんとするバルロの対立であった。卿の背後にはデルフィニアを狙う大国タンガとパラストが…。この危機を迎え討つべく国王は自ら行動を開始した。
<目次>
1〜11
あとがき



「コーラルの嵐<デルフィニア戦記7>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1995年7月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★国王に押しかけ愛妾出現。王女にタンガの皇太子との縁談。日頃は剛胆なウォルも無敵のリィも敵国の策略を知って激怒した。この事態に対抗すべく国を挙げリィとウォルの婚姻が敢行される。だが、厳粛な式の最中、タンガから宣戦布告が届けられた―剣を取れ。国王の大音声が響きわたる。
<目次>
1〜11
あとがき



「風塵の群雄<デルフィニア戦記8>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1995年11月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★王子が敵の手に落ち、意気消沈するタンガの陣に国王ゾラタス率いる援軍が到着した。迎え撃つデルフィニア国王ウォル。両国の王を将とした大軍が国境の砦をはさんで対峙するパラストを加えた大華三国は三つどもえの戦乱に突入するのか。デルフィニア王妃リィの存在がすべての『鍵』を握っている。
<目次>
1〜11
あとがき



1996年

「動乱の序章<デルフィニア戦記9>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1996年3月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★大華三国を隔てて聳えるタウは銀山なり―タンガ王ゾラタスにもたらされたこの密告こそウォルたちが仕掛けたタンガの挙兵を誘う作戦であった。しかし鬨の声はデルフィニアの西方パラストから挙げられる。微妙な緊張を保たせてきた三国はついに動乱に突き進むのか。
<目次>
1〜11
あとがき



「憂愁の妃将軍<デルフィニア戦記10>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1996年7月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★徒党を組んで反旗を翻したグラハム卿ら西部領主との決戦に国王ウォルの軍は大敗を喫した。頼みのラモナ騎士団は壊滅しウォルは囚われの身に…さらにパラスト・タンガの二国はこの機に乗じて同盟を結び虎視眈々とタウ山脈の金銀鉱を狙う。内憂外患デルフィニアの危地に姿を消した王妃リイの真意は。
<目次>
1〜13
あとがき

お話の面白さは、もう保証つきで、とにかく読んでもらうしかないので、つい、あとがきネタになってしまうけど、どうやら、店主と同じく、茅田さんは機械が苦手の様子。
締め切り前にパソコンがフリーズして、「玉川上水に飛び込もう」と思った気持ちは、ものすごくわかります(笑)

「妖雲の舞曲<デルフィニア戦記11>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1996年11月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★国王を人質にし戦端をひらく―愚劣であるが確実な作戦をもってなお戦には敗北した。デルフィニアの進撃を止めなくてはタンガ・パラストは滅亡する!二国の王は恐怖した。大華三国の均衡は守られねばならぬ。かくして二国再連合とスケニア、さらにファロット一族を巻き込んだ陰謀が始まった。
<目次>
1〜9
あとがき

この巻のあとがきで、『王女グリンダ』再版は、いっさい考えていない、と明言されています。後に、大陸書房版が中古市場であまりに高値で取引されていることや、やはり読者の熱意を汲んでくださってか、復刊なりましたが、ある意味、茅田さんの作品に対するこだわりを感じて、作家として真に誠実な態度だとも思ったし、余計好きになりました。


1997年

「ファロットの誘惑<デルフィニア戦記12>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1997年10月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也


⇒この本を古本ぺんぎん堂で見る





★コーラル城の華やかな喧噪にまぎれ王妃暗殺の罠は巧妙に精緻に張りめぐらされた。無関係に見えた少女の死。王宮の内部で殺された侍女。決戦の場となった雪原で暗殺集団ファロットの青年はあでやかに微笑む。リィの本能が警鐘を鳴らす。この奇妙なイキモノは「人間」なのか。
<目次>
1〜8
あとがき

この巻で編集さんに却下された作者のタイトル案は『怪獣大戦争』『ゴジラ、その愛』
確かに、そういう、ものすごい巻ではあります。

「闘神達の祝宴<デルフィニア戦記13>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1997年7月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★獅子の紋章を象った招待状が届けられ使者が大陸全土からコーラルに赴く。豪華な式典の背後でタンガ・パラスト両大国は飽くことなき権力への執念に策動し周辺諸国と大華三国のかかわりは微妙にかわり始める。ウォルとリィは毅然と顔を上げ互いの手をとり大広間に踏み出した。偽りの宴が始まる―。
<目次>
1〜9
あとがき

あとがきの、パソコンが壊れた話が身につまされる。このとき、茅田さんのところに、やってきた新しい機械の名前は「ポチ」(笑)

「紅の喪章<デルフィニア戦記14>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1997年11月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★フェス河以北の一帯カムセンの地がデルフィニア領となって半年。タンガの元領主らがゾラタス王の制止すら振り切り、矢地回復を叫んで挙兵する。早急に鎮圧せんものと最前線で大剣を揮う戦女神リィ。だが、戦闘の混乱についてファロットが暗殺の魔手を延ばす。リィに向け必殺の矢が放たれたのだ。
<目次>
1〜10
あとがき

修理から戻ってきたポチの前のパソコン、ゴン太。またしても壊れる。茅田さん自宅付近、謎の電磁波疑惑浮上。


1998年

「勝利への誘い<デルフィニア戦記15>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1998年3月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★トレニア湾にスケニアの大艦隊、国境にはタンガ軍2万集結、ビルグナ砦陥落―!王妃の矢傷も癒えぬうちにデルフィニア包囲網は厚く強固に完成されつつあり、獅子王ウォルは防戦一方に―。この危機に黒衣の独騎長は飄然と形勢逆転の『切り札』を担ぎ出すべく、単身大海に乗り出すのだった。
<目次>
1〜12
あとがき


「伝説の終焉<デルフィニア戦記16>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1998年7月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也








★生きて戻れ―リィの言葉に送られてシェラは北を目指す。ついに、ヴァンツァーそしてファロット一族との死闘が演じられる時がきたのだ!一方、シェラと別行動中、騎士団員千人の命と交換に虜囚となり意識を無くした戦女神にレティシアは微笑みながら歩み寄る。研ぎあげた必殺の針を手に―。
<目次>
1〜13
あとがき

作者の茅田さん、イラストの沖麻実也さん、ともに凶悪なスケジュール(笑)をこなしている最中に刊行され、物語が佳境でもあるため、茅田さんの「口絵は犠牲にしても本文イラストを6枚書いて」との希望が優先された。いつも巻頭に入っているカラー口絵が初めてなしの『デルフィニア戦記』落丁じゃないので、出版社に問い合わせないでください(笑)店主の持ってる16巻にも口絵はありません(笑)

「遥かなる星の流れに(上)<デルフィニア戦記17>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1998年11月25日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也







★リィを嫡子ナジェックの妻とする!勝利の女神を辱め、デルフィニアの戦意を削がんとするゾラタスの卑劣な策に、三騎はタンガへの途をひた走る。王位を捨て一戦士に戻ったウォル、異世界の相棒ルウ、己の意志で行動するシェラ―。昏々と眠り続けるリィだったが…。難攻不落のボナリス城に轟音が響く時、最後の奇跡が始まった。
<目次>
1〜8
前巻16巻のあとがきで、ついに
「デルフィニア戦記は次巻で完結します」との宣言。
どきどきと書店に書店に向かい、『遙かなる星の流れに(上)』という、この本を見て、
「上って、何?上って!?」
と呆然とした方、必死で下巻を探した方が、日本全国にはたくさんおられることと思います(笑)
今となっては懐かしい思い出でしょうが、当時の心境を考えると同情の涙を禁じえない店主です。
でも、実は、あたしは、リアルタイムでは読んでないから、18巻まとめ読みできたのだ。ごめんなさい(笑)
このあと下巻も出すという過密スケジュールのためか、1巻のはずのものがおさまりきらなかったという事情のためか、 この巻は、口絵、あとがき、なしです。

「遥かなる星の流れに(下)<デルフィニア戦記18>」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1998年12月10日発行
定価900円+税
イラスト:沖麻実也







★放浪の戦士と異世界の少女の出逢い、すべてはここから始まった。盟約という堅い絆で結ばれた二人は、いくたの危地を乗り越え、あまたの合戦に勝ち抜いて、戦士は大国の王に、少女は王と国の守護神となった。獅子王と妃将軍がつむぐ、デルフィニアの伝説がここに完結する。
<目次>
1〜11
あとがき

『デルフィニア戦記』全18巻、ついに完結。読み終わってしばらくは、物語の世界から戻ってくるのが難しかったほど。この壮大なファンタジーを読めたことを心から幸せに感じた。
このあと刊行された『スカーレット・ウィザード』シリーズは、うってかわって?宇宙が舞台のハーレクイン・ヴァイオレンスSF(笑)で、そのシリーズの外伝で、デルフィニアの登場人物が関わってきたときには、ずいぶん反響が大きかったようだ。それぞれが、ファンタジーとしてSFとして、強固な世界観を持つ完成度の高い作品だけに、無理にくっつける必要があったのか、と。でも、この18巻のあとがきで、「金銀黒の三人には新たな世界が待っています」とすでに書かれていて、このときにはもう、多分、おぼろげながらでも、『暁の天使』シリーズそして、『クラッシュ・ブレイズ』シリーズの構想はできていたんではないかと、あたしは思います。茅田さんの頭の中にある、大きな大きな宇宙に、ただただ驚嘆しました。


1999年

「スカーレット・ウィザード1」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1999年7月25日発行
定価900円+税
イラスト:忍青龍(きがわ琳)


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★海賊達の王という異名を持つケリーに、エネルギーと情報の二つを支配するクーア財閥の女王ジャスミンから仕事の依頼が。だが、出されたものは『婚姻届』だった――かなり異色な宇宙恋愛物語。
<目次>
1〜9
あとがき

『デルフィニア戦記』が終わって、「次にはまったく違う話を書こうと思っていた」というこの作品は、なんとSF。キャラクターの原型はずっと以前からあったものだそうだ。『スカーレット・ウィザード』というタイトルに落ち着く前は、茅田さんは、このお話を『女王と海賊』と呼んでいたらしい。あまりにそのまますぎて使えなかったとのことだけど、やはり愛着があったのか、『暁の天使たち』シリーズの4巻で、ついにこのタイトルを使っている。確かに、まさにそれ以外に名付けようのない巻だった(笑)

「桐原家の人々1 恋愛遺伝学講座」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1999年9月25日発行
定価900円+税
イラスト:成瀬かおり


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★桐原真巳は悩んでいた。
都と猛がほっそりとしたシャム猫なら、自分は黒くてごついシェパードだ。
これで三つ子だなんて本当か!?真巳が16年間抱えてきた疑惑の渦は、突如として予想をはるかに越え、怒濤のごとき展開を迎えることに。
あらわになった真実とは?とてつもなくパワフル、超マイペースな家族コメディが新装登場。
<目次>
1〜13
あとがき

角川ルビー文庫で刊行された「恋愛遺伝学講座」を書き直し、十数ページ分加筆した新装版。
ルビー文庫は買えない(汗)という男性でも、これなら・・・(笑)
とても楽しいお話なので、是非。

「スカーレット・ウィザード2」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
1999年11月25日発行
定価900円+税
イラスト:忍青龍(きがわ琳)


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★行方不明の探査宇宙船の捜索にジャスミンがクインビーで飛び出した。ところが、そのクインビーが暴走! 誰もが打つ手なしと思われた絶望的状況に、ケリーはひとり不敵に笑う。 
<目次>
1〜8
あとがき

「ハーレクイン・ロマンス書きたい」という構想で生まれたらしいこの作品。茅田さんのイメージする「ハーレクイン・ロマンス」=「男女が劇的に愛し合うもの」なんですが、このとびきり強い怪獣のような夫婦のあいだでは、なかなか甘い空気は生まれてこないねえ(笑)
かなり「ハーレクイン・バイオレンス」になってますが、結婚してから、少しずつ愛と信頼が深まっていくというのも何だか素敵な気がする。


2000年

「桐原家の人々2 恋愛心理学入門」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
2000年1月25日発行
定価900円+税
イラスト:成瀬かおり


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★月の輪熊とウサギを並べて兄弟だと言い張るぐらいに無理がある桐原家の三つ子たち。
真実を知らされた16年目の初夏。
3人をさらなる混沌に落とし込む妙なものの出現に麻亜子さんの怒りが爆発。
まだ隠されていた秘密は怒濤のジャーマンスープレックスと共に炸裂する!必笑家族コメディ新装登場第二弾。
<目次>
1〜13
あとがき

角川ルビー文庫で刊行された「恋愛心理学入門」を書き直し、前巻よりさらに加筆した新装版。
涙目になりながら大爆笑してしまう、という、シリアスさと笑いのバランスが絶妙。
全く同じ話なのに、約6年の月日を経ての加筆訂正で、素晴らしくテンポも、心理描写もよくなっています。

「デルフィニア戦記画集」(茅田砂胡・沖麻実也)
中央公論新社
2000年3月25日発行
定価3900+税
A4版







★茅田砂胡書き下ろし中篇小説『ポーラの休日』に、沖麻実也描き下ろしカラーイラスト7枚、幻の『王女グリンダ』のイラスト全点も収録したデルフィニア戦記の画集。
<目次>
◆デルフィニア戦記(カバー、口絵、本文挿画全点+描き下ろし)
◆王女グリンダ+CDデルフィニア戦記
(CDデルフィニア戦記ブックレットと
大陸書房版『デルフィニアの姫将軍』『グランディスの白騎士』の
カバー、口絵、本文挿画全点)
◆キャラクター・設定・地図
◆デルフィニア事典
◆デルフィニア外伝 蜜月―彼と彼女の場合―(初出:デルフィニア戦記CDブックレット)
◆ポーラの休日
◆茅田砂胡の語る『デルフィニア戦記』
◆コメント(茅田砂胡+沖麻実也)

びっくりしました。失礼ながら、デルフィニア戦記を読んでるときは、沖さんの絵がここまで美しいとは思ってなかった。カバーにすると小さいし、題字や内容紹介などが入るから、切れてしまう部分があるから。画集で大きな一枚絵で見ると、恐ろしく綺麗だ。スケジュールの関係で入らなかった18巻用のイラスト2枚(対になってるもので、「ウォル+リィ(女)+シェラ(女装)」と「ルウ+リィ(男)+シェラ(男)」という対比図)が最高。
もちろん、茅田さんファンにも満足できる内容。
「蜜月」という短編は、デルフィニアのドラマCD用ブックレットに書かれたもので、持ってる方は少ないだろう。タンガ侵攻途中の野営の中での、ウォルとリィのおよそ新婚らしくない、けれど彼らなりに仲良しな一夜の物語。
書き下ろし中編『ポーラの休日』は、ウォルから、日ごろの働きへの労いにコーラルの市街に遊びに行くことを勧められたポーラが、仲良しのアランナ(ナシアスの妹)と共に、魔法街へ買い物に出た一日の顛末を描いた作品で、「(ウォル以外の)オールキャスト・コスプレ大会」みたいな話です(笑)
インタヴューでは、デルフィニアやその他の国の名前の由来、キャラの原型ができた頃などの裏話も。

「レディ・ガンナーの冒険」
角川書店・角川スニーカー文庫
2000年4月10日発行
定価571円+税
イラスト:草河遊也


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★「お嬢さま、もう無理です!追いつかれます」
「大丈夫よ。みなさんがついているじゃないの」
ウインスロウ家の娘、キャサリンは、ここに至って、ようやく用心棒たちに声をかけた。
ことの始まりは一通の手紙。
隣国の幼なじみに危機が迫っていると聞いたキャサリンは、侍女ひとりと、風変わりな四人の用心棒を連れて旅立ったのだが・・・。破天荒なお嬢さまと、動物の姿に変身できる不思議な人々が織りなす、ファンタスティック・ストーリー登場。
<目次>
1〜11
あとがき

作者が考えたタイトルは『けむけむ大作戦』
あははは。茅田さん、これはいくらなんでも却下でしょう(笑)
でも、気持ちはすごくわかる(笑)
この「けむ」は、煙でも毛虫でもなく「毛むくじゃら」のけむ。
キャラ立ちの良さとテンポの良い会話は、どの作品にも共通する茅田さんの魅力ですが、
このシリーズでは、設定のユニークさが目立ちます。
「レディ・ガンナー」の設定のメインとなるのが、動物に変身する人たち「異種人類(アナザーレイス)」の存在。
昔から、人間が獣に変身するお話というのは数多くあって、特に「狼男」さんは有名だけど、
もっといろんな動物に変身できてもいいよね?というのは、あたしも思ってました(笑)
アナザーレイスは生まれつき、ひとつの動物に変身することができ、人間の姿のときも、その動物の身体的能力を持ち、それが遺伝するという設定。
作中では、猫、ライオン、虎、豹、ユキヒョウ、熊、狼、コヨーテ、ジャッカル、狐、犀、馬、鹿、山羊、隼、鷹、鷲、白頭鷲、丹頂鶴、島梟、ペンギン、蜥蜴、蛇、鰐、イグアナ、竜と、なんとも多様なアナザーレイスがいるのが楽しい。
同じ種族のアナザーレイスと交配したとき、その能力を受け継いで生まれるのがアナザーレイスの「純血種」
交配可能な、近い種族同士の混血児が「ブリジアン」
また全ての種族が交配可能な「無形種(ノンフォーマー)=いわゆる普通の人間」との混血が、 「インシード」
人間のお嬢様(と呼ぶにはかなりおてんばな)キャサリンと、インシードたちが、協力して様々な事件を解決する痛快なお話。

「スカーレット・ウィザード3」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
2000年7月25日発行
定価900円+税
イラスト:忍青龍(きがわ琳)


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★ジャスミンの出産を控えて、総裁代理の任にケリーが就いたとたん、重役たちによる財閥乗っ取りの陰謀はますます激化。そのうえ、ケリーの正体に気づいた海賊まで登場しての大混戦。
<目次>
1〜11
十一番目のダイアナ
あとがき

ケリーに降りかかる様々な危機。普通の人なら10回は死んでます(笑)
コミックス『スカーレット・ウィザード プラス』にも出てくる「ダイアナ命」のあの人も、この巻で登場。
その絡みか、ケリーの相棒で、とても感応頭脳とは思えない不思議な存在ダイアナの生まれた経緯というか、謎が少し解き明かされる短編『十一番目のダイアナ』も同時収録。

「王女グリンダ」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
2000年8月25日発行
定価1200円+税
カバー:しいばみつおD


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★失われた環が甦る・・・全18巻をもって完結した<デルフィニア戦記>の幻のプレ・ストーリー。一部のファンに囁かれ続けた『デルフィニアの姫将軍』と『グランディスの白騎士』を完全収録。
<目次>
前書きに代えて
デルフィニアの姫将軍機銑将
グランディスの白騎士機銑

前述の1992年刊、大陸ノベルズの『デルフィニアの姫将軍』と『グランディスの白騎士』を1冊に合本したもの。
出版の経緯、心境については、「前書きに代えて」という一文に詳しく書かれています。
幻となってしまった2冊を当時のままの形で届けるのが目的のため、加筆等は一切なし。
2冊のカバーである沖麻実也さんのイラストはカラー口絵として収録。
本文イラストも当時のままの状態で入っています。
カバー見返しの著者コメントの
「この作品はもう一つのデルフィニアかと、何度か言われたことがありますが、それは違います。もう一つのという言い方は正しくありません。むしろ、かつて存在したものの、今ではなくなってしまったデルフィニアの世界であると言えば一番近いかもしれません」
という言葉が、すべてを表してると思います。
よくよく考えたら、『王女グリンダ』は、あくまでも、原案で、『デルフィニア戦記』が著者の持てるすべてをもって書かれた渾身の作品なのだから、デルフィニアを読んだ後で、グリンダを読みたいと願うこと、それは、完成された素晴らしい名画を前にして、これのラフスケッチもしくは下絵を見せろ、と強要してるに等しい行為です。
作者にとっては、完成されたものがあるのに、なぜ人々が昔の未完成な習作のようなものを見たいと言うのかわからない。
茅田さんにとっては、ある意味、不可解かつ、つらいことだったような気がします。
ほんとに、ごめんなさい(涙)
それでも、「好きな人のすべてを知りたい」のと同じで、「好きな作家さん、好きな作品にまつわる全部を知っておきたい」というファンの気持ちを汲んで、信念を曲げてくださって、ありがとうございます。

「桐原家の人々3 恋愛統計総論」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
2000年9月25日発行
定価900円+税
イラスト:成瀬かおり


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★桐原さん家の似ても似つかぬ三つ子。その真実が白日の下に晒されて、ようやく落ち着いたとこたん、ロールスロイスに乗って新たなトラブルがやってきた。『零を迎えに来た』というご大層な一族が出現。なんともパワフル超マイペース家族の必笑コメディ新装版第三弾。
<目次>
1〜15
あとがき

角川ルビー文庫で刊行された「恋愛統計総論」を大幅に書き直し、削除した部分もあるのに何故か元より増量してしまった新装版。(笑)
あたしは、桐原家の男性陣の中では、零ちゃんが大好きで、この巻が特に好き・・・と思ってたら、ルビー文庫では、この3巻で完結で、結局書かれることのなかった零ちゃんが主役の番外編が4巻として出ることになった。万歳!

「スカーレット・ウィザード4」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
2000年11月25日発行
定価900円+税
イラスト:忍青龍(きがわ琳)


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★低能海賊がケリーを本気で怒らせた。触れてはいけない男の過去に土足で踏みこんだのだ。男は左目を輝かせ薄く微笑む。もう誰にも止められない。この空域の船は残らず消滅する──!
<目次>
1〜8
あとがき

ついに作者により「怪獣」というあだ名まで、つけられてしまった、海賊と女王の夫婦。
黒ゴジラと赤ゴジラが、いつにも増してド派手なドンパチを見せてくれるこの巻。
でも、それによって、二人にとって因縁の場所、惑星ウィノアの詳細が少し語られ、ロマンス的な部分も、亀の歩みのごとくではあるけど進んだ・・・かもしれない(笑)


「スカーレット・ウィザード プラス1」
中央公論新社・CNコミックス
2000年12月15日発行
定価880円+税
作画:忍青龍(きがわ琳)/原案:茅田砂胡
A5版


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★身に覚えのない豪華客船襲撃容疑で連邦警察に追われる一匹狼の海賊・ケリー。彼の元に襲撃事件で死亡したはずの女からメールが届き……。コミックスだけのオリジナルストーリー。
<目次>
スカーレット・ウィザード プラス1
あとがき(忍青龍)
推薦の言葉(茅田砂胡)

小説「スカーレット・ウィザード」の世界を舞台にしたコミックオリジナルストーリー。
あくまでも、茅田砂胡・原案で、漫画オリジナル作品だけど、「スカーレット・ウィザード」の世界が忠実に再現され、外伝的なものとして、イメージを損なうことなく楽しめる。
「スカーレット・ウィザード」のノベルス版でイラストを担当した忍青龍さんの作品。



2001年

「スカーレット・ウィザード5」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
2001年4月6日発行
定価900円+税
イラスト:忍青龍(きがわ琳)


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★移動要塞<ガーディアン>に、ジンジャー主演映画の出演依頼が寄せられた。宇宙一物騒な夫婦の反撃が今始まる! 異色なラヴロマンスに終幕は訪れるのか? 怒濤のごとき最終巻。
<目次>
1〜11
あとがき

茅田さん曰く「SFふうハーレクイン・ヴァイオレンス・ロマンス」ついに完結。
・・・といえば、完結なんだけど(ここまででも十分すごいんだけど)、後日譚である『スカーレット・ウィザード外伝 天使が降りた夜』まで読んで、いろいろな伏線に納得できる部分があるので、できれば外伝(実質は続編)も読んでみてください。
この後、始められたシリーズ『暁の天使たち』からはイラスト担当が鈴木理華さんに変わり、あたしの好みとしては、鈴木さんの絵の方が好きなんだけど、この『スカーレット・ウィザード5』のカバー背表紙、口絵の忍青龍さん作<ミリィ&ウィノアの軍曹>は、とてもとても素敵だ。
なお、あとがきで書かれている全員プレゼントの原稿というのは、この下の『スカーレット・ウィザード マイナス』に収録されている、『イレヴンスの春』です。

「スカーレット・ウィザード マイナス 」
中央公論新社
2001年7月10日発行
非売品
コミックス:忍青龍(きがわ琳)
A5版






★CNコミックス創刊記念の全員プレゼント企画で、『スカーレット・ウィザード』のノベルスと『スカーレット・ウィザード プラス1』のコミックスについている応募券を送るともらえたオリジナル・プレミアム・ブック。42pの同人誌のような小冊子で、茅田さんの『スカーレット・ウィザード3』に収録の「十一番目のダイアナ」の続編である『イレヴンスの春』という短編小説と
忍青龍さんの『スカーレット・ウィザード プラス』の後の時期の話らしい『あの男を追え』という16pのコミックを収録。
かなり入手が難しく、うちではちょっと販売できないと思いますが、ときどきオークションや、『まんだらけ』など同人誌を扱っている古書店のサイトで見かけます。
涙が出るほど高いけどね(汗)
なんとか、中央公論新社さんから、茅田さんのノベルスに収録するかたちで出版されるといいですね。
<目次>
『イレヴンスの春』茅田砂胡
『あの男を追え』忍青龍


「桐原家の人々4」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
2001年7月31日発行
定価900円+税
イラスト:成瀬かおり


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★両親を事故で亡くし、ただ一人生き残った桐原零は叔父の家に引き取られる。
新しい『桐原家』は少年にとり驚異に満ちた家族の暮らす家だった。
過酷な少年時代にもかかわらず絶妙なキャラクターぶりを発揮し、ファンの絶大なる支持をとりつけた零を描いたシリーズ最終巻。
<目次>
1〜13
あとがき

角川ルビー文庫では「恋愛」シリーズ(「桐原家の人々」)は3巻で完結。
その時点で、構想はできていたけれど、書かれることがなかった零ちゃんが主役の番外編。
C★NOVELSファンタジアから新装版が刊行されるにあたり、最終巻である4巻として、書き下ろしで発行されました。零ちゃん大好きの店主は、もうめちゃくちゃうれしかった。(笑) 三つ子高校生のドタバタと、強い女性陣が目立つ「桐原家」ですが、実はそれを影で支えているのが、零ちゃんと、普段はいないけど、やるときはやる父・広美さん。
零ちゃんの複雑な生い立ちのせいで、シリーズの他の3作に比べると、ややシリアスな作品になってるけれど、だからこそ、こういう重いものも全部飲み込んで、それでも家族として強い絆を持つ桐原家の明るさが一層光り輝く。この4巻はほんとに大好き。

「スカーレット・ウィザード外伝 天使が降りた夜」
中央公論新社・C★NOVELSファンタジア
2001年11月25日発行
定価900円+税
イラスト:忍青龍(きがわ琳)







★本来ならば巡ってくるはずのない誕生日を迎え、ジャスミンは死を前にして何を思ったのだろうか?本篇では語られることのなかった空白の4年間、そしてその後を描いた外伝登場。
<目次>
1〜11
あとがき

あとがきに書いてあるように、外伝というより、『スカーレット・ウィザード』のエピローグであり、新シリーズ『暁の天使』たちのプロローグ。ここで初めて、ある人物によって、『スカーレット・ウィザード』と『デルフィニア戦記』が繋がる。これは、ある意味、衝撃的でしたが、単なる思いつきではなく、こうなるべくしてなったんだと、あたしは思います。


☆茅田砂胡作品年表☆(2002〜2008年)こちらから。


☆茅田砂胡作品年表☆(2009年〜)こちらから。


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